BANANA FISHとの出会い.
BANANA FISHは私が生まれた時からそこにあった。
両親の大好きな棚。
背が高くて、奥行きがある。
手前と奥とで分かれていて、手前は横幅が細身。
なので左右に動くことが出来る。
2人はこれをすごく気にいっているようだった。
生まれた時からあったし、2度の海外生活にもわざわざ運んで行った。
そしてその愛着は、棚に置いてあるものにもあるようだ。
何故なら、17年間中身も配置もほとんど変わらなかったから。
父と母はそれらについてわざわざ語ろうとはしなかった。
そして私も、わざわざ訪ねたりはしなかった。
それでも私が大きくなるにつれて話してくれたり勧めてくれることがあった。
20世紀少年、医龍、スラムダンク、サード・ガール、MONSTER、マスターキートン、北斗の拳。
これらの漫画を読み終えてやっと、私は出会った。
それは奇妙なタイトルだった。
"BANANA FISH"
どんな話か検討もつかない。
くだらないように見えて、どこかに深みがない話など私の両親が何十年も大事にするはずがない。
しかし。とても古い漫画のようだし。
表紙の青年はブロンドだし。あまり乗り気になれなかったのが本音。
そして物語の始まりはベトナム戦争。
ちょうどこの頃に1年後はベトナム戦争の勉強をするよと教師に言われていたのもあり、文字の多い戦争絡みのオープニングに憂鬱になることはなかった。
---
そんなこんな2日間ほどで全て読み終え、ドストレートに沼に入っていった私。
この当時は中学生でしたかね。
今じゃ理想の男性はアッシュとか言っちゃう痛いヤツです。
大ファンのくせに結構ツッコんじゃうタイプなんですけど、"BANANA FISH"面白すぎじゃない?!っていうベースはもう一生崩れません。
未来のないお話でも、何十年後にアニメ化されるくらい素晴らしい作品を愛すことができてもはや悔いはありません。