boy meets girl

hope to be free

"湯を沸かすほどの熱い愛" 感想.

- ネタバレありです -

 

宮沢えりサン主演で2016年に公開された映画。アカデミー賞も受賞した話題作、やっと視聴できました~。Huluさん本当ありがたいです。

 

病気が発覚し残り約3ヶ月しか生きられない事を知った一児の母、双葉。死ぬ前にやらなくてはいけないことを一つずつ成し遂げていくパワフルな人。突然出て行った夫を連れもどし、いじめられている娘を支え、不倫した夫が連れてきた子供を愛し、潰れかけた銭湯を再開させていく、、、。

 

弱った身体に負けず、それぞれの問題と懸命に戦う姿はとてもかっこよくて美しかった。そしてそれらの問題を解決させる最中に出会った人にも影響を与える不思議な人。でもキッチンに立つ後ろ姿は、1人の母。

余命3ヶ月という深刻な状況にもかかわらず、闘病の様子よりも家族の絆を描いているのが他の映画との違いかもしれない。

自分は昔母に捨てられ、愛する娘は旦那の連れ子で、その娘の母からは毎年必ず荷物が届き、娘は学校でいじめられ、旦那は不倫し出て行き、戻ってきた旦那には不倫相手との子供がいて、銭湯は閉店していて、経済的にも余裕はなさそう。そして余命3ヶ月。
よくある泣かせる要素を全部詰め込ませたような不幸でかわいそうな人。でも全然そんな事はなくて。悲しい要素じゃなくて、一生懸命で楽しく強く生きているところに泣かされるんです。

 

強く生きるお母ちゃんを演じた宮沢えりサンはもう圧巻。もうそういう人にしか見えないくらい、強かった。美しかった。頼もしかった。

それからその娘を演じた杉咲花サンも素晴らしい。お母ちゃんみたく強く生きられない自分が嫌だと想う毎日だったけど、なんとか一歩踏み出した彼女はとてもお母ちゃんらしく、強かった。お母ちゃんが大好きで大好きで自分もその後ろ姿を見ながらちょっとずつ強くなっていく過程が丁寧に演じられていたと思います。
オダギリジョーサンも、伊藤蒼サンも松坂桃李サンも篠原ゆき子サンも駿河太郎サンもみんなとっても素敵でした。

 

何年に1回とか、定期的に見た方がいいかもしれない。そんな映画。