分身 / 東野圭吾

2人の人物目線を交代で書いていく形は東野さんとしては珍しかったような。今回は全く接点がないはずだった2人の女の子の運命がどんどん交わっていく展開だったのでページをめくる手が止まらなかった。後半の危機迫るシーンで目線が変わっちゃったりして焦るし、2人が違う場所で少しずつ真実に近づいていくのにすれ違っちゃうから読者としては焦れる。結局最後まで2人は会えなくて、ラストのラストで何も言わずに分かり合ってレモンをかじるところで涙。

 

2人は全然違うようにみえて似ている。最終的には2人とも両親を失くして、途中まで真実探しを手伝ってくれた人とは別れた。でも、その2人にはそれぞれまた会いにいくのかな。ライターさんは養子だったという秘密があったわけだけど、それでもかなり良くしてくれた。下条さんも医療学生としてクローンというものに興味があったというのが手伝ってくれた理由なわけだけど、彼女もまたとても良くしてくれた。サンプルだと言われた時のショックはもちろんキツイだろうけど、あそこまでたどり着けたのは確実に彼女のおかげであろう。

 

この後2人はどうしていくのだろうか。一緒に助け合って生きていくのか。同じ顔で。それとも、またそれぞれの場所に帰って何もなかったかのように生きていくのか。どちらも難しい。同じ苦しい経験をした同士、同じ顔を持つ同士、近くにいても離れても仲良くしていてほしいな。

 

相変わらずクローンとか代理母とか難しいトピックなのに人の想いとか人生とかを綺麗にまとめてくるからすごい。感動した。