手紙 / 東野圭吾

不動の名作。読んでる間ずっと辛すぎて何度も読もうとしては何度もリタイアした作品。5回目くらいにしてやっと読めました…!私も大人になったんだな…。

 

唯一の肉親、兄が強盗殺人で捕まってしまった弟の人生を追ったお話。親を亡くして以来2人でなんとかやってきたのに、弟を想って犯してしまった兄の罪。そんな兄を恨めるわけがないのに、悪い方へ悪い方へと転んでいく人生。苦しくてもどかしくて、ひどいことの繰り返しなのに、決して光を灯すことを忘れない。ひどいことをしてくる人、言ってくる人もいれば、分かってくれる人もいる。受け入れきれない人もいる。社会で普通に生きていくのは難しい。

 

何度も色んなことに苦しみながら歩んだ結果下す弟の決断が厳しく、それでもそこまでのことをしなくてはいけないという悲しき事実に胸が痛む。平和な解決策なんてない。いい事なんてない。それでも人間を、兄弟を、社会を描いた切ないお話でした。

 

東野さんの綺麗なタッチと光と陰の上手なバランスがなきゃ、読んでも時間の無駄だったと感じてしまったかもしれないテーマ。さすがです。