重力ピエロ / 伊坂幸太郎

「死神の精度」以来の伊坂サン作品でしたが、とても引き込まれました。たまに出てくるフレーズやセリフが美しくて、感動したり。主人公・春の冷酷であり穏やかな思考に戸惑わせれたり。かといってトリックも忘れずに人間関係を使って描かれていて。ワントーンであるように見えて、中身は燃え上がっている不思議なお話に思えました。

 

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

(公式様から引用)

 

お話の構図や運びもとてもお上手で読みやすく、面白いのですが、何より私は文中に現れ、心に残るセリフやフレーズを出来るだけネタバレしないよう、書き留めておきます。

 

「春が二階から落ちてきた。」

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ。」

「人を救うのは、気休めの美味い料理だと信じていた。」

「人には、外見を変えたくらいじゃ、びくともしない、根っこみたいなものがあるのかもしれませんね。」

「良心については、多数決の原理があてはまらないんだ。」

「自分で考えろ!」

「死が敗北だと誰が決めた?」

「学校で教わるのは『物事を簡単に信じるな』ってことだ。」

「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ。」

「人間の賢さは、人間のためにしか役立っていない。」

「自分が考えているようなことは、別の人間も考えているってことだ。」

「ピエロが空中ブランコから飛ぶ時、みんな重力のことを忘れているんだ。」

 

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