boy meets girl

hope to be free

博士の愛した数式 / 小川洋子

とてもシンプルで柔らかくて平和なお話。個人的にはデボラ・インストールサンの「ロボット・イン・ザ・ガーデン」と少し似ているように感じた。特に何か大きなことが起こるわけでもないし、めっちゃUNIQUEな設定があるとか(あるけども)ってわけでもないけど、とても温かい。

 

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

(公式様から引用)

 

博士がすごく重要なポジションで、なんとも優しくステキな人であることはもちろんだけど個人的には主人公と主人公の息子、ルート親子もとっても魅力的だと思う。メイン3人が全員魅力的だなんて考えてみたらずるいよな〜。(悪い意味ではなく)博士をとんでもなく素晴らしい人のように描いていて、実際この親子もそう思ってるんだろうけど、私はこの2人もステキだと思う。心優しくて、寛容で、我慢強くて…。

 

エンディングまで平和で温かくて、ベスト中のベストだ。

 

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