boy meets girl

hope to be free

"行きたくない" 感想.

めちゃめちゃ前に読み終わったのに感想書くのにとんでもない時間がかかってしまった。なのに内容超薄いや。私もっと思ったことを日本語でスラスラ書ける人になりたいな~…。

 

「行きたくない」は若い新生作家サン6名を集めた短編アンソロジー

加藤シゲアキサン、阿川せんりサン、渡辺優サン、小島陽太郎サン、奥田亜希子サン、住野よるサン。

 

もちろん私は大好きな加藤シゲアキサンの新作が読みたい理由で購入。でも読書は好きだから純粋に新たな好みの作家サン発掘に期待して読書スタート。

 

01. ポケット / 加藤シゲアキ

シンプルだけど綺麗にまとまっていて、かつ主人公の未来が少し見えた気がして温かかった。とても短編らしいお話だったと思う。最初読んだときは?ってなる箇所もあったけど、2回目から理解が深まって納得してもっと楽しんで読めた。

 

02. あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ / 阿川せんり

正直に言うとこれはあまり私の好きなタイプではないかも。語りがですます調なのが苦手だし、読書好きとしてはよくある、好みが別れるタイプの小説家さんのお話を我慢して話し相手に合わせる時のあの地獄の時間をテーマにされちゃったのはキツすぎる。よくあることだからこそあまり触れてほしくはないトピックなんだよな~。

でも主人公の気持ちはよくよく分かるし、読者が共感しやすい物語の運びだと思う。

 

03. ピンポンツリースポンジ / 渡辺優

ロボットと人間が共存している、というよりかはまだ人間の生活をロボットが支えているような感じのSF。私が好きだなーと思ったお話の中の1つ。本来感情がないはずのロボットさえも、「行きたくない」という"感情"をもつだなんてすごく面白い。私が特に好きだなーと思ったのが、最後に、このロボットがなぜ、どうやってこの感情を持ったのかとかはさっぱり分からないけど、最初はロボットに関心なんてなかったはずの主人公がそのロボットに愛情を持ち始めるという、変化と感情の有無がもたらす意味みたいなものが問われて面白かった。

 

04. シャイせ / 小島陽太郎

「シャイセ」と「わかば」という2人の女性のお話。これまた私が好きだなーと思った中の1つ。語りと会話のコネクションがなく、パックリ別れた書き方は私にはちょっと新鮮だったけど、ユニークだなって思うところばかりじゃなくて、自分と主人公がそんなに離れてないように感じて面白かった。

 

05. 終末のアクアリウム / 奥田亜希子

これは学生の私には少し難しかったかも。個人的に、主婦ってなんだかんだ1番キツイ人間だと思ってるから生きずまってる主人公の様子はなんとなく分かる。

でもなんか、誰にも内緒な一日の使い方とか、好きになれない友人の存在とか、好きだけど上手くいかない旦那とか、子供が出来ないこと、とか、とにかく何にもしてない何もしたくない主人公の周りが騒がしすぎてそのギャップが面白くて辛いんだけど、結局ラストがスッと入ってこないのは私のせいなのだろうか。うーん。面白かったって言いたいけど…短いお話って難しーい。

 

06. コンピレーション / 住野よる

この短編集の最後、"シメ" って感じのお話。ユニークな設定に最初はなかなかついていけなかったけど、読んでみたらすごく面白かった。考えたこともない、新鮮な世界観。キーワードは「昼行灯」。でも割と私は主人公・モモと似てる部分がある気がする。ちょっと冷めてる部分もあるのかな。基本的に全てどうでも良いって思っちゃってる部分が少なからずあるし、今日が生きれれば明日のことは明日っていうふうに育ったから何事もそんなに重きを置いて考えてない。だから主人公の決めたことには素直に頷けるし、お話の終わり方も嫌いじゃない。