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"タイガーアンドドラゴン" 感想.

家族(兄貴抜き)でドラマ「タイガーアンドドラゴン」を1日1話のペースで見た。

私だけ大好きな岡田准一サンが出演していたこともあって昔1度見ていたのだが、それもずいぶん前のことだし家族は初見だったので本当に楽しめた。

 

-ネタバレアリ-

泣いた。たっくさん泣いて、そして笑った

こんな時期にたくさん笑いと幸せをくれて、ありがとう。やっぱり名作はいつの時代のどんな状況で見たって名作だ。

細かいところまでとはいかなくても、大体の展開は知っているのにボロボロ泣いちゃうんだから不思議だ。(この作品も、私も。)

 

まず、脚本が本当に素晴らしい

天下のクドカンはやっぱり強い。それぞれの個性豊かなキャラクターたちを動かして、落語にハメコムっていう発想自体が最高に面白いのに、それを昔っぽい描写と現在の様子とを混ぜ込みながらその回のオチまでをまとめて説明するっていう本当よく出来た脚本だ。

古典らしい言葉もちょいちょい使われてるのにちゃんと理解できるからありがたい。

まぁまぁお下品な下ネタなんかも出てくるけどそこはまぁ許そう。

 

そしてキャスティングもすごい。当時からスターの方々や今でこそ有名な役者サンなどなどがこぞって出演している。

長瀬智也サン演じる主人公・小虎は本当に可哀想なヤツで本当におっかないヤクザなんだけど、本当に純粋で真っ直ぐでドストレートな男。憎めない。家族や友達、愛を知らない彼は、自分なんかいくらでも代わりのいる駒だと思ってる。ただこの考えも師匠のもとでどんどん変わっていって、むしろ後半では「もうオレの代わりはいねぇんだ」なんて言っちゃうんだから可愛い。最高だ。

対して岡田准一サン演じる小竜は落語の天才なのに事情があって落語をやめてしまったもったいない青年。でも落語が大好きでやりたいっていう気持ちと追い出された手前素直に戻りたいと言えない挙句にこじらせてこじらせてこじらせまくっちゃった、ファッションセンスのかけらも無い服屋の店長という共感出来るような出来ないようなといった絶妙なポジション。そんな彼の小虎との出会いを通して成長していく様が泣けるんだ。

そしてキーパーソン西田敏行サン演じる師匠ドンちゃんは頑固な一面がありつつも家族と落語を愛し、みんなに愛される存在。彼の嘘偽りない姿勢と落語への情熱、そして笑いを大切にするところをみんなが尊敬していて、2階の稽古部屋でみんなに囲まれているシーンが私は大好きだ。賛否両論の小虎の一風変わった落語を好きだといい、自分をよそ者だという小虎に「お前はウチの敷居を跨いだ時からオレの大事な家族だ」と叱ったシーンにはうっかり涙してしまった。それからどうしても小竜に厳しく接してしまうところは、明らかに本心からではなく、彼自身が1番歯痒い思いをしているんじゃないかと思わされるからすごい。

 

他にも、フラフラしながらいつも突き刺さるいいことを言う自由なメグミとか、いつも雰囲気を明るくしてくれるたっちゃんとか、結局最初から最後まで超つまんないドン太とか、泣き虫のさゆりちゃんとか、後半しれっと同じ舞台で落語やってるjumpとか、先が思いやられる未成年のうどんとか…みんなみんな面白くって大好きだ!!!!

 

それからキャスティングのお話しとしてもう一つ書いておきたいのが、役者の顔ぶれがすごい。上記3人がメインで、その周りもまぁ豪華。

伊藤美咲サン・蒼井優サン・桐谷健太サン・阿部サダヲサン・春風亭昇太サン・星野源サン・浅利陽介サン・笑福亭鶴瓶サン・塚本高史サン・伊藤修子サン・荒川良々サン・北村一輝サンなどなど…!!ゲストにももっとたくさんの豪華な役者サンたちが出演していて、さすがクドカンファミリーって感じ…!!

 

笑いアリ涙アリの作品ってのはこういうことだ。

最初からずーっと笑い続けて、最後にめっっっっちゃ泣いて、そんで笑う。ハッピーエンディング支持派の私としてはこれほどのモデルケースはないと思うし、笑いは世界を救うな~なんて思う。

私は落語について全然知らないし、ましてやヤクザのことなんて全然わからない。
それぞれの世界のリアルは知らないけど、思いっきり楽しめたんだからそれでいいんだと思う。ドラマってそんなもんだ。そしてドラマは偉大だ。

 

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