boy meets girl

hope to be free

"腐女子、うっかりゲイに告る。" 感想.

このドラマを見ることに決めたのは明らかにタイトルのせいだ。何と言っても私のいとこのお姉ちゃんの元彼 (多分初彼) がゲイだったから。彼女は腐女子ではないけど、なかなか彼氏が出来ないって言ってたお姉ちゃんが突然、「出来たけど別れた」って言い放つからどうしたのかと思ったらすっごい嬉しそうに、「私その辺の人はしたことない体験をしちゃったんだよね!」とか言うから…そしたら「しばらくたって私がフラれたんだけど、その理由が、彼はゲイだからだったの!」と。続けて、「いや〜確かになに言ってもなにしても優しかったんだよね」とかわけの分からないことを言い続けるからめちゃめちゃ覚えてる。(笑)

まぁそんなわけでこのドラマはどんな経緯で、最後どう締めくくるのか気になって見ることに。

 

主人公を演じた金子大地サンは初めて見た時に三浦春馬くんかと思った。でも横顔は小関裕太くんにも似てた。けどちゃんと調べたら、「おっさんずラブ」で主人公の後輩のマロを演じた方だった~!驚き。全然高校生役余裕じゃないですか。

 

ヒロインを演じた藤野涼子サンはごめんなさい、全然知らなかったし初めてこのドラマで見た時も普通のその辺にいる女の子じゃんって思ったけどそこがよかった。学校が舞台の高校生たちのドラマで、"主人公は普通に見えて何かを持ってる"っていうストーリーをなんの邪魔もなく見せれていたのは彼女のおかげだ。表情を含めたお芝居、一つ一つの細かい部分が繊細に演じられてたと思う。

 

物語は今までに見たことない感じの設定と運びで新鮮。

1話は「ほ〜」って感じで終わったけど2話への予告がちょっとすごかった。え。なにあれ。ちょっと。怖い。あの、生々しい。けど、まじもんって感じで、ついドキッとしちゃった。でもなんかもう一回戻って見るのはリスキーだからやめておいた。あ、主人公の年上彼氏まことサン役、(谷原章介サン) の一言、

「来週たっぷり可愛がってあげるから、それまで我慢してなさい」

の話。

(気持ちが収まらなくてでもどこにも吐き出せなくって結局1話が終わったタイミングで下書きに書いてた。)

 

まことさんのポジションはまさに、「きのう、何食べた?」の2話でシロサンが言っていた、

「もしあのまま付き合い続けていたら結婚したかもしれない。でもゲイというのを止められないから妻も子も裏切って外で彼氏作って、その彼氏も傷つけていたかもしれない。ゾッとするよ。」

ってほんとその通りの人なんじゃないかな。シロさんが言う、"もし" がまさに今のまことさんのように思える。

 

観覧車で告白された時の純くんの答えを、本当に、純粋に、予想出来なくて驚いた。どんなストーリーを見てたって、「まぁドラマ的にこうかな~」とか「ここでふったら続かないよ~」ってテンションなのに、今回は純くんがゲイだって知ってるのに暴れでる彼の本音の嵐についていけないし気持ちも全くわからなくて。でもそれってすごいことだな。わからない、共感出来ないのに、どこか興味深かったり、理解したくなったりするんだ。じゃなきゃ見てられない。

 

温泉に行ってハッピーモードからの自殺からのちゅー (見てない人からしたら意味分からん) で、終わった回はすっごく辛かったし、次回予告の感じから怖くて続きが見れなかった。2週間放置してしまった。辛すぎて。

 

でもいざ見たらやっぱりまた目が離せなかった。望んでいなかった形とはいえ、クラスにも母親にも自分がゲイだってことが知られてしまって苦しい描写が続いた。そうだろうな、とも思った。でもやっと自分の想いとかを吐き出せてたとも思う。

クラスで友達といても愛想笑いしかしてなかった彼が、みんなに見られてる中、幼馴染の亮平に思ったことをストレートにもらしてた。

あんなに母さん母さん言ってたのにいざ母親にゲイが勘違いなんじゃないかと問われた時に、すごく感情的に自分の抱えていたものを吐き出していた。 (結果的に母親にまことサンとのことがバレなかったのは本当に救いだ。知ってしまったらどちらも辛かったはず。)

辛そうだし辛いんだろうけど、不思議と、やっとリラックス出来ているようにも見えた。

複雑な人間心理だろうと思う。

 

最後にステージでスピーチを続ける三浦さんを守ってかっこいいこと言っちゃう亮平に不覚にも泣いてしまった。は~…。亮平マッシュルームのくせにめちゃめちゃいいやつなんだ…。思えば純くんが飛び降りる前のセリフとかもめちゃめちゃかっこよかった…。は~…。

 

でもちょっとスッキリしないのは、三浦さんとケイトサンが知り合いになったのはどこからどこまで?そのポイントは?裏で何かがあったという演出?それとも純くんがやっと三浦さんに自分について話すようになって、ケイトサンを紹介したのか?ん~、これ答えが見つからない。

 

最終回、最後の、わざと切られたあの自己紹介の続きは、なんだったのだろう。

「僕は同性愛者です。」「僕はゲイです。」

なのか。それとも、

「僕はBLが好きです。」

とかちょっと思い切っちゃうんだろうか。

もっともっと遠回しに、

「僕は、自分を試しにきました。」

とかかな。


なんにせよ、主人公がとても理性的なのに対してドラマ全体は感情的なように思えるドラマだった。物語も新鮮だし、毎回「QUEEN」の曲がいいタイミングで流れて素敵だった。(よく知らないけど)

 

最優秀に選ばれた三浦さんの絵は、とっても素敵だった。

 

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